教授 熊本 裕  KUMAMOTO, Hiroshi
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1.略歴
 1974年 3月  東京大学文学部言語学専修課程卒業 (文学士)
 1974年 4月  東京大学大学院人文科学研究科言語学専攻修士課程入学
 1976年 3月  東京大学大学院人文科学研究科言語学専攻修士課程修了 (文学修士)
 1976年 4月  東京大学大学院人文科学研究科言語学専攻博士課程入学辞退
 1976年 4月  東京大学文学部助手(言語学研究室)
 1976年 8月  東京大学文学部助手 休職(海外研究のため) ~1979年8月(休職期限につき退職)
 1976年 9月  米国ペンシルヴェニア大学大学院東洋学科博士課程入学
 1982年12月  米国ペンシルヴェニア大学大学院東洋学科博士課程修了 (哲学博士)
 1983年 4月  四天王寺国際仏教大学文学部助教授 ~1989年3月
 1989年 4月  東京大学文学部助教授 (言語学)
 1994年 6月  東京大学文学部教授
 1995年 4月  東京大学大学院人文社会系研究科教授 (言語学)

2.主な研究活動 (2002年4月~2005年9月)
 a 専門分野
   イラン言語学、特に中央アジア出土の中期イラン語であるコータン・サカ語文献の解明。
 b 研究課題
   中央アジアの遺跡(いわゆるシルクロード)から発掘されて、20世紀に初めて解読された言語の一つであるコータン・サカ語の研究に従事し、過去十数年、世界各地の博物館や研究所に保存された写本を調査し、そのうちのいくつかは初めて解読し出版した。90年代は主としてペレストロイカ以降ようやく外部に解放されたロシア所蔵の写本を対象に、現地の研究者と共同研究を行った。現段階では、現存するコータン・サカ語文献の全体像がようやく明らかになったといえる。すなわち、今の段階で欠けている、この言語の総合的な文法と辞書のための作業の土台が、ようやく整いつつある。この作業と平行して、かつて断続的に出版した、パリのフランス国立図書館所蔵のコータン・サカ語文書(Paul Pelliot蒐集)の研究を改訂して、Saka Documents Text Volume II として準備中である。
 c 主要業績
  論文等
         (1). "Sino-Hvatanica Petersburgensia, Part 1", Manuscripta Orientalia, Vol. 7, No. 1, March 2001, 3-9 [ただし、このロシアで出た雑誌の編集部は、筆者には校正刷りを送付せず、文章も勝手に書き換えており、OCRの不手際による間違いも見られる。上記URLにある元の論文と、出版されたものより高精度のカラー写真を参照。]
   (2). "The Concluding Verses of a Lyrical Poem in Khotanese", HARĀNANDALAHARĪ. Volume in Honour of Professor Minoru Hara on his Seventieth Birthday, edited by Ryutaro TSUCHIDA and Albrecht WEZLER, Reinbek 2000 [2002], 143-154
   (3). Review of N. SIMS-WILLIAMS ed., Proceedings of the Third International Conference of Iranian Studies, Part 1: Old and Middle Iranian Studies (Wiesbaden 1998). [Bulletin of the Asia Institute, Vol. 13 (1999 [2002]), 196-201
  国際学会での報告
         2002年12月:東京大学・フランス高等研究院 Ecole Pratique des Hautes Etudes 共催によるシンポジウム『ユーラシアにおける文化変転: 文献資料と造形資料の伝統』("Symposium franco-japonais: «Interactions et translations culturelles en Eurasie». («Dynamic Interactions of Cultures in Eurasia»)" ) 2002.12.12-13, Parisにおいて、"The Maitreya-samiti and Khotanese" と題する報告。[2003年度中に『日仏学院』La Maison Franco-Japonaiseの出版物として刊行予定]

3.主な教育活動
 (1) 講義・演習題目
      2002年度
   [学部]
    「比較言語学 I, II」  Hans Henrich Hock and Brian D. Joseph, Language History, Language Change and Language Relationship, An Introduction to Historical and Comparative Linguisticsによる。
    演習 「印欧語比較研究」(大学院と共通)
    「F. de Saussure, Mémoire sur le système primitif des voyelles dans les langues indo-européennesを読む」
    印度語印度文学特殊講義 「イラン語文献学概説 」(大学院と共通)
    「コータン・サカ語『Zambastaの書』購読」
   [大学院]
    「言語学演習」 全教官による学生の研究発表の指導
    「博士論文指導」
  2003年度
   [学部]
    「言語学概論」
    「比較言語学 I, II」   A. Fox, Linguistic ReconstructionおよびJ. Aitchison, Language Change. Progress or Decay?による。
    演習 「印欧語比較研究」(大学院と共通)
    「Rigveda研究」
    印度語印度文学特殊講義「イラン語文献学概説」(大学院と共通)
    「ソグド語文書購読」
    原典を読む 「Saussure 『一般言語学講義』を読む」
   [大学院]
    「言語学演習」 全教官による学生の研究発表の指導
    「博士論文指導」
         (2) 博士論文審査
   2004年  鄭 恩禎「日本語イントネーションの音響研究」(副査)
   2004年  大場 美穂子「日本語補助動詞の研究」(副査)
   2005年  内海 敦子「バンティック語の動詞接辞の研究」 (主査)
   2004~2005年(乙) 加藤 昌彦 「ポー・カレン語文法」(主査)
         (3) 主要学内行政
   2000~2002年 人文社会系研究科委員会代理委員
   2003~2005年 人文社会系研究科委員会委員
   2004~2005年 (全学)身障者入試実施委員
 (4) 学外活動
   2003年~2005年 日本言語学会(常任委員)
   2001年~      (財)東洋文庫・研究員
   その他、日本言語学会、日本オリエント学会、東方学会、Societas Iranologica Europaea、L'Association pour l'Avancement des Études Iraniennes各会員

4.主な社会活動
  特になし。